本を読む

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上手に思い出す事は非常に難しい。だが、それが、過去から未来に向かって飴の様に延びた時間という蒼ざめた思想(僕にはそれは現代に於ける最大の妄想と思われるが)から逃れる唯一の本当に有効なやり方の様に思える。成功の期はあるのだ。この世は無常とは決して仏説という様なものではあるまい。それは幾時如何なる時代でも、人間の置かれる一種の動物状態である。現代人には、鎌倉時代の何処かのなま女房ほどにも、無常という事がわかっていない。常なるものを見失ったからである。
小林秀雄 『無常という事』より

高校時代に出会ったアイザワ先生
それまで出会ったことの無い非常に強い個性を持った人だった

一通り音読させたあと「解らない所ありますかー?」
「・・・?」何が解らないかも解らず誰もが押し黙っている
「質問ないのですね。皆、解ったようですから、次行きますね。次はシーシュポスの神話・・・」
エーッ!ハァ?口々に言葉を発しながら皆必死にその難解な文章へ没頭し始めた

僕は高校時代はラグビーに明け暮れ、勉強にはとっくに興味を無くしていた
でも、この時の事は今でもすっかり覚えている
書き取りは点数を稼げるからしっかり覚えなさい、とか、この作者の代表作でここは出題率高いですよなんていう台詞はアイザワ先生からは一言も出てこない
ワープロが嫌いで「手書きの文字」を大切にされていて、テストも先生の個性の強い文字のプリント
まずはその文字を判別することから始めなければならなかった
それに、テストの問題はいつも10問と決まっていて、すべて文章で答える
初めてのテストは、人生初の0点!あなたはガンツ先生でありますか!?と思ったり

それまでも読書は好きだったけど、それまでの読み方では全く理解できない
「文字を追いかけているだけじゃつまらないでしょ」
そう言われてからは、本当に本が、読む事が好きになった
授業も積極的に質問して、失笑を買う事も何度かあったけど・・・
先生には思いのほか目をかけていただいた
「きみは器用さはないが、しつこさはある。」と言われ嬉しかった

それから暫くは三島由紀夫や太宰治にも挑戦していった
他の授業中にもよく読んでいて、目頭が熱くなり・・・鼻をすすっていると、隣りの席のヤンキーの山さんが「コウスケなに泣いてんのよ!」と話しかけられたから、読んでいた『泥流地帯』を手渡してやった
暫くしてから山さんが嗚咽とともにパンチパーマを揺らして泣いているのを見たときは、シュールなシーンだなと思ったり

安部公房は特に好き
しかもロックバンドのピンクフロイドが好きで、シンセサイザーが日本に3台しかなかった時代に自身でも演奏していたなんていうエピソードを見たりして、意味もなく興奮したし、何となく他の作家よりも人間臭さと親近感?を感じた
もし・・・今の音楽だったら
U2は聴かないだろうな
ひょっとしたらピーターガブリエルの『UP』は好きなんじゃないかなぁ


靴の話しは・・・また次回に
只今山ちゃん(ヤンキーの山さんではなく、ウチの見習い君)が当店の新しいh.p.の作製に奮闘中
たいへん良い出来になりそうですので、ご期待ください!!
彼も器用じゃないけど、しつこさは十分ありますー!!
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by me-ness | 2009-10-12 14:09
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